丁度1ヶ月前、5月10日に行われたフィリピンの統一選挙。
大統領、副大統領、国会議員、地方議会、市長などあらゆる役職を一気に選んだ今回の統一選なのですが
本日ようやく正式に結果発表。
おそくね?
今回フィリピンでは初めて電子投票システムを導入したんですが、結局全部手作業で確認したらしい。
って言っても、日本も手作業だけど翌日には正式発表だよな。やっぱすごいな日本。
大統領には、ノイノイアキノ候補が見事当選。おめでとう。
アキノ一家はフィリピンでは最も有名な一族の一つ。
マルコスという大統領による独裁政権を打倒した時の大統領が、母親のコラソンアキノ。
父親は、マルコスのライバルであり、マルコス陣営に暗殺されたと言われるニノイアキノ。
コラソンアキノ時代の、20年間続いた独裁政権からの民主化の実現は今でもフィリピン人の記憶に強く残っている様で、選挙の話をするとだいたい皆アキノへの期待を語る。
今回のアキノのスローガンは
汚職一掃。
10年間続いた現アロヨ政権はフィリピンの汚職体質を象徴するかの様に汚い金が動きまくってます。
ホストファミリーのLさんが
"the smallest, but the most terrible president"「フィリピンの歴代大統領の中で、一番小さいけど、1番おぞましい大統領」だと言ってて爆笑しちゃいました。でも多分その通り。
果たしてアキノ政権でフィリピンの政治は少しでもクリーンになるのか…
だいたいフィリピンの大統領の月収は15万円ほど。任期は6年。
で、選挙キャンペーンでいくら使ってるの?
UPの教授がこの矛盾を指摘してるレポートを読んだことがあります。
街中に貼られたポスター。ひっきりなしに流れる偽善的なテレビCM。有権者への金のばらまき。票の買収。
いくつかのソースによると、地方の貧困層には買票の為に候補者から2000ペソ位配られているらしい。平均収入5000ペソの国。うん。
政治の場で政治を変える事がこんなに難しいのか、と思い知らされます。
金のない無名候補なんてまず勝ちっこないからなー。
しかも、今回の選挙では、アロヨ大統領が下院議員として当選。
さらに、86年の革命で失脚したはずの故マルコスの妻、イメルダ婦人も当選。おまけに娘と息子も当選。
彼女達はやはり金にものを言わせ、影響力のあるポストを手に入れるわけだ。
すごい経歴の持ち主なんで是非Wikiかなんかで調べてもらえれば…。
そんなフィリピンの政治情勢なんですが、
NGOのお仕事の中で、現在日本の大学院で勉強しているプルメリアの奨学生が書いたフィリピンの政治についての論文を翻訳させて頂きましたので、ぜひ時間がある時に御一読頂ければと思います。
こちらから。
http://www.cebu-plumeria.jp/link/appendix.htm
政治一族が力を握ってる状況、一向に変わる気配のない体質、そこでNGOは何ができるのか…
ボリュームもあって、内容も突っ込んであるので最後まで読むのはタフですが、
何もする事無い時にでも読んでみてください。どんな国なのかわかってもらえると思います。
私の拙い訳で読みにくくなってしまっているとは思いますが、どうかそこは目を瞑って…
目を瞑ったら読めないね。
政府ではなく、一族が国を動かすフィリピンです。。