刑務所で大興奮!=世界が注目するセブの囚人ダンスCPDRCついに突撃!~
さて、本日は土曜日恒例、セカンドチャンスでのピアニカレッスン。
今日の目標は「かえるのうた」の合奏
…でしたが目標達成は来週に持ち越しです
久々にやんちゃキッズに会えたので非常ーーに楽しかった
歯抜け坊主。
何か今日は逆立ち大会が行われました。
…!すげー!
セカンドチャンス授業日誌は日比交流サークルPocoPocoのHPにて!
さて、以前ひでぶーの記事『世界一有名な刑務所?』でもご紹介したとおり、
この孤児院セカンドチャンスの真隣に、セブ最大の刑務所があります。
そして、その刑務所というのが、かの有名な
囚人がダンスを踊る刑務所(更生施設) CPDRCなのです。
(ちなみにCPDRCとはCebu Provincial Detention and Rehabilitation Centerの略。セブ州立拘置所兼リハビリセンター、ってとこです。)
このCPDRC、毎月最終土曜日に一般観覧可能な公開パフォーマンスを行っていて、
7月の最終土曜日は今日だったのです!
てなわけで、セカンドチャンス終了後、その足で、CPDRC突撃してきました
先に言っておきます!彼ら全員囚人です!!笑
もう、ほんっと大興奮でした
だいたい刑務所なんて入るの初めてだし
ただ、なによりそのダンスに、ほんとに、ほんとに楽しませてもらいました
まず入り口では、手にスタンプを押されます。
一般的な観覧参加の方法は、セブの県庁前に集合してそこから皆でバスで移動してくるんですが、なにせ僕らはアポも特に取らずに歩いて直接来たので、特別に中に入れてもらいました!ラッキー!!
ただ…
入場許可証のステータスが
“INMATE'S RELATIVE”
なぜか「囚人の親戚」っていう体になってます!爆笑
まぁ、細かい事は気にせずに
中に入ると、まずロビーでお土産が売ってありました。
囚人が作ったカバンや衣類など…
クオリティは高いと思いましたよ。
自分は、お土産に囚人Tシャツをゲット!!!
1枚170ペソ。
部屋に通され、CPDRCについての簡単な説明を受けます。
この施設ができたのは2004年(位)の事で、セブ州の知事であるガルシアさんが
「フィリピンの刑務所暮らしは死刑よりも劣悪」
と問題提起して、リハビリ施設を兼ねた刑務所の建設を目指したのがきっかけのようです。
当初はリハビリプログラムの導入を嫌った囚人たちが刑務所の移動に抵抗していたそうですが、今となっては世界が注目するセブの有名スポットに。
すべての名声はガルシアおばちゃんの手の中に…。
今日はフィリピン人の友人も一緒に観に行ったんですが、彼女は
「有名になったおかげでこの刑務所はかなり稼いでる。でも結局その利益は囚人や社会福祉に使われることはなくて、役人やガルシアのもとに還元されるだけ…。」
とかなり鋭いコメントを。汚職大国、フィリピン。
世界各地のメディアにも露出し、偉そうなことを言ってるガルシアおばちゃんですが、結局市政府で彼女の脇を固めているのはガルシアファミリー。
…。色々あります、世の中。
さて、そんな悶々タイムを突破するといよいよパフォーマンス会場へ!!
いかにも刑務所、と言った感じの物々しいゲートを超えると…
おぉぉー!ほんとに居る!!!とここで実感。
全体を見渡せる2階席もあったのですが、今回は至近距離でダンスを見られる1階席で。
キレのある行進で囚人入場です。
今日は全部でなんと15曲のパフォーマンス。皆さんお疲れ様です。
マイケルジャクソン追悼ダンスで有名にあっただけあり、プログラムはマイケル中心で構成されてました。
とにかく、1500人近い囚人の息の合ったダンスに圧倒されまくり。
めちゃくちゃ感動です。
囚人はメンズだけではありません。
レディースも頑張っております。
…そしてもちろん
オカマちゃんも頑張っております。
アクロバティック!!
マイケルの"Thriller"のミュージックビデオに登場する女性役を熱演しておりました!笑
本日マイケル役を務めたお兄さん。
こちらゾンビ達。
どの曲もセンターで踊るグループは固定されていて、さすが彼らは一段とキレのある動きを見せておりました。
にしても、ほんと自分が立ってるところから1mもしない距離で白熱のダンス。
熱気と若干の汗臭さ。
すごい体験したなぁ、と思います。
観客はセブの人ばかりではなく、
ミンダナオから来ていた大学生達や
(クリスチャンばかりのセブで、ベールを身につけているイスラム教徒を目にするのは珍しいです。ミンダナオ島ではイスラムが比較的多いのです。)
子ども。刑務所に、子供…(笑)
海外からのお客さんもたくさんいました。いきなりダンスに乱入した欧米人。
テレビ取材も入っていましたよ。これはフィリピンのテレビ局ABS-CBNです。
最後の一曲、映画「This Is It」からの1曲“They Don't Care About Us”は本当に鳥肌ものでした。
ダンスパフォーマンスが終わると、なんと囚人たちと記念撮影ができます
多くの曲でセンターを務めていた兄ちゃん。彼のダンスはまじでやばいです。
若干C.ロナウドに似てると思う兄ちゃん。
よっ主役!Mr.マイケルジャクソン!!
圧倒的な存在感を放っていたオカマちゃんも!
髪の毛がジャックフルーツみたいなおっちゃん!
センターグループの一人でしたがいつも一人リズムに乗り遅れている(笑)
本当に、本当に、記憶に残る出来事になったと思います…。
もちろん、彼らは囚人ですから、何らかの罪を犯してここに入っているわけです。この中には強盗した人もいればレイプした人もいれば殺人した人だって交じってるわけです。
自分は犯罪学の専門家ではないから詳しい事はわかりません。でも。
この人たちを見ていたら、いつ、誰が、どんな理由で犯罪を犯してしまうのかなんて本当にわからないな、と言う事です。
人を育てるのは、社会です。
社会の中の最も基本的な社会は、家族です。
誰かが悪い事をして、その人を気違いだと言って、罪を償うために牢屋にぶん投げるのは簡単ですが…
(簡単、という表現は適切ではないかもしれませんが。)
そんな彼らを生みだした社会に、少しでもスケプティックな視点を持つことができれば、こんなダンスも生まれずに済んだのかな…とか。
もちろん、犯罪被害者の感情はここでは重視していないと自覚してます。
もし自分の家族を殺した人間がこの中に含まれていたら?
想像もできませんが、こんな事は書けないと思います。ただ。
少なくとも、ここで踊っている囚人たちは前を向いていました。
どんな事情でこの施設のお世話になったのかはわかりませんが、
彼らには、誰かを、少なくともひでぶーを、笑顔にさせて、感動させて、何かを考えさせる力がありました。
自分にとって、今日のこの時間は、本当に笑顔の絶えない時間でした。
色々、考えると信じられないような現実を目の当たりに、本当に目の前で感じて、そしてなによりそんな現実を楽しんで、なんだかわからないけど、とにかく、元気にはなりました。
ビデオも撮ったんだけどなー。
気まぐれiPhoneがパソコンに反応してくれないので、そちらはまたの機会に
未だ考えはぐるぐるしてますが、ぜひ来月も、再来月も、観に行きたいと思います。
皆さんも、セブにいらっしゃる際は月末の土曜日を狙ってみては?