突如家から消えた家族…。
1週間ちょっと前の事になりますが、
僕の前にプルメリアで研修をされていたKAYOKOさんが、連休に合わせてセブに戻ってきていました。
久しぶりの再会で非常に懐かしかったです!
そのKAYOKOさんと一緒に、ダナオというセブから1時間ほどの町に居る里子に会いに行ってきました。
そこで事件は起きたのです…。
ドアをノックしながら
"Ayo~(ごめんくださーい)"と呼びかけるものの、中から反応は無い。
ん?どうしてだ?と思っていると、近所に住んでいるらしき女の子たちがやってきて一言
「いなくなったよ!」
えぇぇぇ?!いなくなった?
中を覗いてみると
スッカラカン
確かに、外にも
家の買い手募集のメッセージが堂々と壁に直接書いてある。
僕らは唖然。
こんなことってあるのか?!
前回8月のプルメリアのフィールドワークでこの家に立ち寄った際には、まだ家族はここで生活しており、引っ越しするという情報は全く聞かされていなかったという事です。
んー。会いたい。どうしよう。と考えていると、さっきの女の子たちが
「あたしたち引っ越し先を知ってる!ガイドする!一緒に行く!!!」と強引にタクシーに乗ってこようとします
(そして、「連れて行くからビスケットが欲しい」とおねだり(笑))
4人の女の子グループだったんですが、定員数的に2人には我慢してもらい、試しに乗せてって見る事に
めったにタクシーなんて乗れないでしょうから、はしゃいでます。
彼女たちの言うままに進んで行き、とある場所に辿り着いたのですが、結局彼らはそこには居らず。
知っとるって嘘やったんかい
と突っ込みたくなりますが、まぁ薄々そんな気がしてたので何も言わず…
とにかく今は里子を見つけるだけ…
捜索の方法は、ひたすらご近所さんへの聞き込みのみです!
「○○君の居場所わかりますか?引っ越していて家がすっからかんだったんですが…。」
「あぁ、○○なら××ストリートに引っ越したわよ。」
××ストリートへ向かう。
「ここに○○君が引っ越してきたと聞いたんですが居場所分かりますか?」
「同じ名字の家族ならいるけど別人ねぇ…。」
みたいなことをひたすら繰り返すものの一向に見つかる気配はなし。
「はぁ、今日は無理かなー」と僕らも半ば諦めモード。
ハロウィーンのセムブレークで先生たちもお休みを取っている時期なので、学校で情報を集めるというのはあまり期待できません。
しかし、最後の砦、藁をも掴む思いで学校に行くと、先生がいたー!!!
先生によると、最近家族は引っ越したそうで、学校のすぐ近くに住んでる。
担任の先生は新しい住所を知っている!
最後の最後にラッキーなことが起こりました。
というわけで先生について里子の家へ。
ようやく会えて一安心。
家族は、元々小さかった以前の家よりも、もっともっと狭い場所へ引っ越していました。
一軒家の一部屋を借りて住んでいるような格好で、家族4人で6畳位の広さ。
2階なので熱気はむんむん、なのにエアコンはもちろん扇風機もない様子でした。
引越しの理由はもちろん経済的事情。以前の家(冒頭の写真)の家賃は払えなかったようです。
この家族、お父さんはトライシカットという自転車の横に客席をつけて人を運ぶ乗り物の運転をしてお金を稼ぎ、お母さんは平日はセブシティの親戚の家に出稼ぎに行っているようです。
そもそもなぜ奨学金支援をしているプルメリアに連絡の一つも無かったのか?
連絡手段がなかったんですね携帯も持っていないし、固定電話もない。
学校が休みの期間だったため、先生経由で連絡してもらう、という事も出来なかったようです。
なんとか新し家に辿り着けたのも、地元コミュニティが強力なフィリピン社会の特徴の賜物、ってところもあるのかもしれませんが、その情報の不確実さがこれまたフィリピンって感じ。
改めて、彼らの生きている世界は僕らなんかの想像をはるかに下回っているんだと言う事をまざまざと見せつけられた1日でした…。
なにはともあれ、無事会えてよかった…。