クリスマスパーティ!!初のピアニカ発表会
ついにやってきました、12月11日!
待ちに待った、セカンドチャンスの子ども達とのクリスマスパーティです
セカンドチャンスの子ども、ワーカーさん、これまでセカンドチャンスのピアニカレッスンに携わってくれた日本人・韓国人留学生の皆さん、ピアニカ指導チームを結成したアベリアナハイスクールの学生、ボランティアでパーティの企画・運営に協力してくれたフィリピン大の学生、そしてNGOプルメリアの関係者、セカンドチャンスで英語のレッスンをしているWaku-Workの皆さん…
と、総勢なんと90名以上での大パーティ
反省点は多々残ったものの、あっという間に5時間過ぎました
今回は自分とプルメリア奨学生のRちゃん、そしてセカンドチャンスからL君が3人で司会進行。
まずはパーティの1番の目的、「子ども達のピアニカ発表」です。
second chance boys play silent night with pianicas
5月から始めて、練習はずっと続けてきましたが、彼らがお客さんの前で演奏を披露するのは今回が初めて
彼らに、何かを練習し、発表し、そして評価されるというプロセスを経験して、そこから自分の好きなこと、得意なことで誇りを持ってほしいというのが自分の最大のモチベーションです。
誰でも、自分の好奇心と努力によって手に入れた実力で、パフォーマンスで人から誉められ評価をされれば、もっと頑張れる気になる。
学校での勉強の出来とは関係ない、音楽という分野で自分の熱中できるものを見つけられるきっかけを作れればと思い始めたピアニカレッスンなので、今回のパーティは自分にとって非常に意味の大きいものでした。
彼らが果たして12月11日という決められたパーティの日に向けて自分達のパフォーマンスを仕上げていけるか。
「既に出来ること」ではなく「新たなチャレンジ」であるピアニカ演奏で、どこまで全員でモチベーション保ちながら練習していくか。
お客さんの反応はどうなのか…
内心ドキドキで演奏を聴きました。
正直に言うと自分がクリスマスパーティの時点で達成したかったレベルの演奏には至りませんでしたが、でも彼らが生き生き演奏して、拍手をもらって喜んでいるところを見ると、よし、よしと。
驚いたことに、全体での演奏が終わると、一人の子が
「合奏では皆が同じパートを吹いたけど、せっかくハモリのパートを練習したから、誰かとドゥエットを演奏したい」
と言い出しました。
彼は毎週のレッスンを一番楽しみにしてくれて、いちばん一生懸命練習し、この半年の間にだんだんと、レッスン中一番リーダーシップを発揮するようになってくれた子です。
「誰か一緒に吹く人は~?」
とペアを募ってみるものの、まだ少人数では自信がなく誰からも手があがらない…。
うーん。せっかく一生懸命練習して、勇気を出して演奏したいと名乗り出てくれた、このチャンスを絶対に潰すわけにはいかない
だって他の子より一生懸命練習したからこそ、やりたいと言える勇気も自信も持てたんだから。
なんかもうこれだけで自分は泣きそうになっていたのですが…
演奏させないと意味がない!と思って自分が急遽パートナーになって2人で演奏しました。
見ると演奏中、彼はめっちゃ手が震えてます
途中ちょっとつまづいた所はありましたが、よくやった!
終わった後にはしっかり誉めてあげました。本当によく頑張ったヒデ兄さん感動だぜ!
パーティなのでゲームはお約束
チームで協力する事を学んでもらおうと、国籍、年齢ごちゃまぜでチーム戦のゲームを行いました!
こちらは「クリスマス・トリビア」試合中の様子。チームメイトの「知」を結集して高得点を狙え!!
どのチームも知恵を絞って考えます!ズルをしないのがさすが!!笑
準備したゲーム、盛り上がるかなぁ~なんて不安もありましたが、フィリピンでそんな心配を必要なし!
「皆で楽しむ才能」…フィリピン人にはかないません!
ランチタイムもみんなでわいわい←おっとビールはなかったか(笑
取りすぎじゃね?笑
ワーカーさん達がとりわけのお手伝い。ありがとう!
見事に肉料理だけなくなってる笑
皆がだいたいご飯を食べ終わると、誰が声を掛けるわけでもなくダンス大会が始まったりで…
他にも、参加者のみんなが色々な出し物を披露してくれました
↑こちらサウスウエスタン大学から遊びに来てくれた日本人留学生の皆さんによるOZMAダンス★
↑自分は、クラリネット持参で語学留学中のお友達とドゥエット!
↑UPガールズはダンスです!
最後のゲームが終わると、もう1曲子ども達からピアニカの披露。
second chance boys play last Christmas with pianicas
こちらも本当はハモリにする予定だったんですが…。
まぁ、最後の一週間でよくリズムを合わせられるまで頑張ったと思います!
全プログラム終了後はお待ちかねの結果発表!
↑急遽サンタ帽をかぶってほしいとお願いして頼まれて下さった権兵衛さんと奥さんに感謝です…(笑)
上位入賞したチームの皆おめでとう!
最後に待ってる「より良いモノ」を目指して皆で協力する姿勢を子ども達も少しは学べたかな。
5月にピアニカレッスンを始めた時からずっと授業を手伝ってくれた語学留学中のサマンサからも、子ども達にミサンガのプレゼント
よく考えたら、一緒にセカンドチャンスの子達に会えるのはこれが最後だったね。
サマンサ、本当にどうもありがとう。あぁなんか涙が止まらなくなってきたああああ
ワイワイガヤガヤ、笑顔の絶えないパーティで、本当に今ここに居られること、こういう事がやれてるって事を、幸せに感じながらの半日でした。
でも、これで終わりではない。
むしろまだ始まったばかり。
あとフィリピン学生生活も実質3か月。あっという間だ。
その時々の自分に素直に、やっていこうと思う。
なんか、色んな事抜きにして、本当にこのセンターの子達が可愛くてたまらないんですよね。
この子たちの笑顔に、余計なものが全く含まれてないから。
笑顔にはその人の全てのドラマが詰まっていると、自分は思っています。
パーティの始まりに、ワーカーさんが言いました。
「今日はパーティにお招きありがとうございます。この子たちは毎年、センターでしかクリスマスを祝ったことがありません。センターの外でこのようなパーティを楽しむのは、子ども達にとって初めての経験です。『いっぱい食べるぞ!』とパーティの日を楽しみにしてきました。」
パーティが終わって、ある男の子が言いました。
「クリスマスは、テレビの広告や町の雰囲気で、特に家族の事を寂しく思う。クリスマスは家族で幸せに過ごす日だから。」
こんな小さな子たちが、想像を絶するような境遇を生き、そして笑顔で人を幸せにするんですよね。
出会えて本当によかったと思います。
今回司会を務めてくれたL君(19歳)に、パーティの後、少しカメラの前で話をしてもらいました。
ぜひ、英語ですが、彼が彼の声で語る彼の人生を、聞いてあげてください。
まずは彼がセンターに入所した経緯とそれからの生活について。
scb talks about his past and present
10歳のときには、僕はもうセンターに入ってた。おばさんが僕の事をセンターに入れたんだ。僕のお母さんはドラッグ中毒で、しかも売春もやっていた。おばさんは僕の事をクスリを使っているお母さんと一緒に居させるんではなくて、センターに連れてくることを選んだんだ。そうすることで、僕がクスリに影響されないようにね。9歳の時だった。実際、最初はすごく辛かった。両親とは離れ離れだし。何年か経って気付いたのは、僕らのセンターは、必要なものはなんでも提供してくれる。食べ物、住むスペース、学校、全てのもの。僕らがしなきゃいけないことは、センターに対して、そして良心に対して責任を持つこと。そこから僕たちはたくさんの事を学べる。毎日、友達や学校、勉強、能力を伸ばすためのセミナーやワークショップ、自分自身を成長させる為の色々なアクティビティから、たくさんの事が学べるんだ。
そして、彼の思い描く将来について。
scb talks about his future
大学での勉強が終わったらセンターを出なきゃいけない。実は、GPICっていう、僕らのスポンサーの一つから、そしてサンカルロス大学から奨学金支給の申し出をもらっている。出来ればこの奨学金を受けたい。僕は社会福祉士になりたいんだ。自分だけの為じゃなく、全ての子ども達の為に。僕はアブレット(センターの代表ワーカーさん)さんが始めた事業を続けたいと思ってる。他の人、特に困っている子どもを助ける為にね。
それから、ピアニカの事についても。
second chance boy talks about pianica program
ピアニカっていうのがどんなものなのか、正直最初は知らなかった。「ピアニカって何?食べれるの?」って尋ねてばっかりだった。それから何日かして、アキヒデがピアニカが何なのか紹介してくれて、何のためのモノで、どうやって使うのか教えてくれた。おかげで色んな事を学ぶことができて、僕らは今きよしこの夜とかキラキラ星、他の曲も演奏できるようになった。ピアニカの演奏は楽しいし、学校でもピアニカ使ってパフォーマンスをしてる。そしたら先生は感心してくれるんだ。クリスマスの時期だから、今でもきよしこの夜は演奏してるよ。
彼らが誇りと責任を持って、自分の歩みたい人生を歩めますように。
パーティに携わってくれたすべての皆に、感謝でいっぱいです!ありがとうございました!