セブキッズとの道!

フィリピン・セブ島を拠点に、スポーツ・音楽教育を通したライフスキル育成に取り組むNPO法人セブンスピリット。

フィリピン人の自己分析。

national flag.jpg たったいまフィリピン航空プロモの記事でも軽く触れましたが、 6月12日はフィリピンの独立記念日。 というわけで(?) この日のセカンドチャンス(孤児院)での授業は、自分のピアニカレッスンとNGOプルメリア奨学生によるフィリピンの歴史についての授業の2本立てでした! independence day.jpg フィリピンの独立についての経緯を説明する奨学生Rさん。 スペイン、アメリカ、日本による支配を受けていたフィリピンが形式上初めて独立を宣言したのは1898年。ただ、実質的に独立を果たしたのは大戦後の1946年です。 そのため、フィリピンには本当にオリジナルな文化というものはあまりありません。 文字、言語、音楽、食、色々なものが多くはスペインから、またはアメリカから大いに影響を受けています。 長期間、宗主国による支配を受けていた元植民地国家が経済的・政治的独立をいきなり実現するっていうのは、言葉で「難しい」といってしまう程簡単ではない。つまり、本当に本当に困難なことです。 だって自分たちで形作ってきた歴史も、政治のノウハウも、何もないんですよ目 昔昔、フィリピンにも独自の文字が存在して、その文字で書かれた書物も存在していたそうですが、カトリックを布教させる段階でスペイン人が「悪魔の書」と言って独特文字の文化を完全に滅したという逸話も聞いたことがあります。 日本で育ってきた自分なんかには想像に難い状況です。 「独立するんですか、だったらご勝手に」と去っていく宗主国。もちろんそれは旧植民地が最も望んだことで、だからこそ独立の道を選んだわけなんでしょうが…。 残していったものは宗教と搾取体系。 独立後も利権を握る少数のアメリカ人は残り、中国系民族が新たにフィリピン社会に参入し、お金の集まるところを中心に、再び搾取の構造が形成されています。 お金を稼ぐためにはむしろ、フィリピン人は海外に出稼ぎに行かねばなりません。OFW(Overseas Filipino Workers)と呼ばれる海外出稼ぎ労働者は、中東やアジア、アメリカはじめ世界中に散らばっています。 今まで訪れた国の中で、フィリピン人(しかも現地で働いてる比人)に出会わなかった国はほんの僅かです。 矛盾だらけの社会…。 今日の授業では、子ども達が 「フィリピン人の良い面と悪い面」 について自分たちで話し合って、発表しあっていました。 以下その抜粋です。 <POSITIVE ATTITUDE(良い面)> *ホスピタリティ(おもてなしの心)…近所の人、知らない人、外国人を含めて、全ての人を温かい心でもてなす。 *信仰心…フィリピン人は信心深い。また、他の神を信じる人達についてもそれを否定せず、受け入れている。 <NEGATIVE ATTITUDE(悪い面)> *先延ばし…今日できる事を今日しない、今できる事を今しない。結局やるべきことをやらずじまいにしてしまったり、忘れてしまったり。 *CRAB MENTALITY(蟹の心理)…誰かが成功しようとしているのを快く思えない。自分たちがあまり恵まれていない中で、誰か身近な人が成功を掴もうとしたとき、妬みから彼の成功を妨げようとしてしまう事がある。 とこういう感じでした。他にも色々と意見はあがっていたのですが、インパクトがあって記憶に残っているものです。 この子たちまだ10代(かそれ以下)なのに、自分たちの国民性客観的に把握できてる。 特にNEGATIVEな面に関しては、自覚してないんじゃないかexclamation&questionと思ってることもしっかりわかっててちょっとびっくりしました。 最後には、 「良いところは伸ばし、悪いところは改善したい」 というお約束のまとめでしたが、なんかこの子たちできんじゃないか?と思っちゃいました。この言葉に実現性を感じたのは初めて犬 ただ、社会がそうはさせないんだろうなぁ…爆弾 jumpin.jpg today's best!612.jpg わんぱく小僧たちも、実は色々考えてるんですね。 こっちで暮らす人たちは、常に「命」と向き合っているから、それはすなわち常に「社会」にも向き合わなければいけないって事なんだと思います。 日本に暮らしてると、なんだか社会のことなんて人任せ。 でも、ここではそうもいかない。 社会のない人間集団なんて存在しないですからね。 すなわち人間が2人以上存在すればそこにはもう社会と政治と倫理が自然発生するわけで。それらから切り離された人間なんて誰もいないわけです… こっちで生活してると、それらにより切迫した距離で触れなければいけない、といったところでしょうか。 UPでの政治の勉強も(政治、というよりは正確には政策科学)、政治を人間の本質として、そして社会科学としての2面から勉強する学問。そういった意味でもとても楽しみにしています。 話がかなりズレてしまいましたパンチ612me.jpg 自分のピアニカレッスンですが 声がかれた爆弾爆弾爆弾 もうほんとに一度楽器を渡してしまうと話を聞かせるのが大変で大変で…。 全力で勝負です。 612highstudents.jpg 愉快だが頼りになる高学年BOYS そんな自分のピアニカレッスン奮闘記は我がサークルPocoPocoのHPにて特設ページを設けて連載しておりますので、こちらをご覧頂けると嬉しいです↓ http://pocopoco.hanagasumi.net/ 今週分もじきにUPされると思いますのでお楽しみに!