おとといの晩、フィリピンでは世間を騒がす大事件が起こりました。
マニラでバスジャックが発生したのです。
香港人旅行客の乗ったバスで人質を取って立てこもり、12時間。
その様子は、全国でTV生中継されていました。
結末としては、犯人は警察が射殺、22人の旅行客のうち8名が死亡したということです。
そもそも何故こんな事件が起こったのか。
犯人は、元々優秀な警察官で、フィリピン国家警察TOP10にも選出されたことがあり、多くの表彰も受けていた人材だそうです。
それが、2009年にとあるホテル経営者から金銭を騙し取った疑いで解雇。
この経営者本人は薬物使用と違法駐車の容疑で逮捕され、そこから彼にも問題が波及したようです。
本人はもちろん関与を否定しましたが、警察側は聞く耳を持たず、彼は失職。
今回のバスジャックは「警察へのリベンジ」が目的でした。
と、このようにこちらの新聞では伝えられています。
そして、同僚、友人、家族談として彼の素晴らしい人柄が紹介されています。
犯人に同情する風潮が見えます。
真実が何なのか、全然わかりません。
お金と思惑が渦巻いているこの社会で、なにが真実で何が正義なのか全然見えてきません。
ただ確かなことは、外国人観光客が8人も死亡する大惨事に発展してしまったという事。
香港政府は既に、フィリピン渡航を控えるよう国民に警告を出しています。
こういう問題にデリケートな日本人も、渡比(特にマニラ)控えするのでは無いでしょうか…。
10名ほどの人質の事前解放は達成したものの、犯人死亡、そして8人の犠牲者を出してしまった
警察の突入作戦にも、世界の警察から批判が集まっているようです。
犯人は大学で犯罪学を学んでいました。
そういうところ(警察の事件解決能力)でも、まだまだ先進国のスキルにはたどり着いてない、というのもこの事件から見える一つの要素ではないかと思います。
外国人を巻き込んだ大惨事。
世界のフィリピンを見る目が厳しくなるのは必至です。
その影響は早くも顕著に出ています。
昨日の通貨レートです。
全体的にペソ安進んでいます。
円高と相乗効果で、週末まで1万円5100ペソ前後で動いていた日本円も、
昨日はほぼ5300ペソ。
ちゃっかり両替させてもらいましたが…。
この事件が象徴しているのは犯人の狂気性だけではなく、このフィリピン社会に潜在している問題そのものではないかと思います。
今、「その人がいる間は雨が降らない代わりに、来た途端に円が安くなる」という伝説をお持ちの方がセブに来られているのですが、昨日の豪雨に今回の円高と今回は珍しく逆パターンの様です…(笑)